生徒会へようこそ【MISSION'0'停学を回避せよ!】-7
「そうだ、そうだ。じゃあ早速始めるぞ。君たちの名前とクラスを教えてくれ」
お、面接みたい。
えーと。
「宝 寿絵瑠、1年7組です」
質問されてすぐに答えられる宝さんをすごいと思った。
慌てて僕も答える。
「かっ、香住 優です!1年1組です!」
「キャーッ!二人ともカッワイイ〜ッッ!」
あの女の子の声だ。
僕も可愛いのか?何か複雑だなぁ…。
「…おい〜!」
「あっ、ごめん!ついね、つい」
「全く、お前らではダメだ。ここはオレに任せろ」
また違う声。今度は男の人だ。
さっきの人よりも低くて落ち着いた印象を受ける。
「コラ!俺の仕事を…」
「うちに入ろうとした動機はなんだ」
最初の人、立場無いな。
それにしても、動機か…。
渡邊先生に誘われたから、じゃあ印象悪いよな。停学を免れるためとも言えないし…。
えーとえーと…。
「では、香住から答えてもらおうかな」
「僕から、ですか?」
「答えられないのか?」
最初の人よりも怖いな、この人…。
「い、いえ、そんなこと…無いです…」
どうしよう…。
僕が、生徒会に入る理由…えっと…。
「それは…自分を変えるため、です!」
これだ!
「ほう、どうやって」
どうやって?
えーっと、えっと…うああ、ダメだ…。
焦りと緊張で何も出てこない。
確かに変わりたいとは思っていた。
生徒会に入れば達成出来ると思ってたけど、甘かったかな…。
変わる方法なんて、考えたことないから、分からないよ。
「…それでは、宝。お前はなぜだ」
結局、何も言えない僕には愛想を尽かしたようで対象は宝さんに移った。
これで僕も終わりだな。
停学決定だ。
「統率力を身につけるため、また、皆に安全で楽しい学校生活を送ってもらうためです」
「ほう、立派だな」
「はい。この学校の規律と秩序を守り、生徒の生活の安全、充実に力を入れたいと考えています」
うわぁ。宝さん、すごいな。
停学免除のためにここに来た自分が情けなく思えてくる。
「おい、お前!統率力っつったな。確かにそれも大事だ。
だけど、そんだけじゃダメだ。今のお前の上に立つ奴の命令は聞けるか?」
最初の人の声に変わった。
そんなことを聞いてどうするんだろう。