生徒会へようこそ【MISSION'0'停学を回避せよ!】-5
「聞いているのか!」
「はっ、はい」
怒られた…。
「全く。生徒会は生徒の模範、学校生活を守る者だ。そこに入るのに、何も無い訳が無いだろう!?」
「あ、はい。…そうですよね」
身振り手振りで僕に熱く説明してくれる宝さん。
「選び抜かれた方々のお目にかなわなければ、生徒会へ入れる訳が無いだろう!?」
「は、はい…」
「寿絵瑠は必ず生徒会に入ってみせるぞ!」
「う、うん。宝さんなら大丈夫だよ」
逆に僕が不安になってきた。
宝さんの語り口調もあるけど、そんなすごい機関に僕なんかが入っていいのか。てかそれ以前に、入れるのか。そして入れなかったら、僕は停学になるのか。
それだけはイヤだぁ!
「それなら早く面接とやらを受けようよ」
僕は天高く拳を突き上げている宝さんに、図々しくも話しかけた。
すると宝さんはこちらをちらりと見て
「それが出来れば苦労はせんのだぁーっ!!」
と崩れ落ちた。
…ぇぇええっっ!?
いきなり何!?どうしたの!?
宝さんはダンッダンッと床を叩きながら嘆いた。
「…ぎが…」
「え?」
「鍵が掛かっていて開かないんだよ!もはや寿絵瑠は、この時点で相応しくないと切り捨てられたのかもしれない!」
あ、だから突っ立ってたんだ。
「鍵さえ開いていればああやって惨めたらしく、廊下に立っておらぬわぁっ!」
…僕の考えが読めるのかな。
なんだ、この人。ちょっと変なのかな…。
いやいや、宝 寿絵瑠を変とか言ったらみんなに殺される。
えーと、こういう場合は慰めた方がいいのかな。男としての株、上がるかな。
でも宝さん少し変わってるからなぁ。慰めたりしたら怒られそうだけど…。
「だ、大丈夫だよ…考え過ぎだって。宝さんならきっ」
「同情するなあぁっ!」
やっぱり。
僕がどうしたらいいか分からずオドオドしていると
―カチャッ…
「!?」
これは。
「宝さん!鍵開い…うわっ!」
「ふっ。取り乱して悪かったな」
宝さんはすっくと立ち上がってスカートの埃をはたく。
立ち直りが早いっ!
「それでは先に行くぞ」
行動も早いっ!
さっさと扉に手を掛けている宝さんに続いて、僕も中に入っていった。