生徒会へようこそ【MISSION'0'停学を回避せよ!】-2
「あの、これには」
「あ、いーいー言い訳はっ」
渡邊先生は手をパッと広げて僕を制止した。
「俺は言い訳というやつが嫌いでね」
そしてニヤリと笑う。
ええー、僕には言い訳すらさせてもらえないんですかー?
「あの…はい…」
遅刻は所詮、どんな理由でも遅刻ってことか。
「それにお前、もう一回遅刻したら停学だぞ?」
「…どぅええっ!?てっ停学!?」
僕にとっての一大事なのに、何をサラッと言っちゃってくれてんすか!
「そうだよ。なんのリスクも無しに遅刻出来る訳ねぇだろ、アホめ。
ここは、高校だぜ?」
「ちょっ、ちょ待ってください!何とか…何とかなりませんか!?」
入学して1ヶ月で停学だなんて、洒落にならない…。
「何とかならねぇよ。まとわりつくなっ!」
先生が僕を引き剥がそうとするが、それでも僕は負けない。
「お願いします、先生!何でもしますからっ!何卒停学だけはぁ〜っ!!」
「ん〜、そうだなぁ」
ポンっと先生が手のひらを叩いた。
「お前、委員会はまだだよなぁ?」
唐突の先生の問に僕は首を縦に振った。
すると先生は、また嬉しそうに笑ってこんなことを言った。
「だよな。それならお前生徒会に入れよ」
考える間もなく、すかさずこうも言った。
「そしたら向こう1ヶ月の遅刻は免除してやるよ。生徒会の特権で」
僕はボーっと先生を見つめた。
先生………神様ですか!?
頭の中では『遅刻免除』がループ。
先生に後光が差して見える始末。
おばあちゃんのことはこの1ヶ月の間に何とかしよう。
「はいぃっ!!」
僕は渡邊先生と握手を交わし、何度も何度も首を縦に振った。
そしてチャイムが鳴る。
結局、始業には間に合わなかった。