卒業-2
「もしもし」
『お〜、千葉。どうした?』
「一人か?」
『おう! オレは孤独な人間さ』
まだバレンタインデーの事を引きずっていた。いい加減忘れれば良いのに……。
「家にいるよね?」
『ああ。家にいるけど?』
「あのさ――――」
ピンポーンと電話口から聞こえてくる。ヤバイ。早くしなければ。
『わりぃ。掛けなおすわ』
ブツッと電話が切れた。これは非常にまずい。思わず部屋から出ていた。家を出た瞬間、風月から電話が来た。
『いえ〜い、千葉ぁ! オレにも彼女が出来たぜぇ!』
風月のテンションがいつも以上に高い。問題はそれじゃない。行方が告白したということが問題。風月の言葉を無視し、僕は言う。
「……。風月。これからお前ん家に行くから待ってろ」
後で聞いた話だが、この時風月は走馬灯が見えたと言う。
そして、僕は風月の家に全速力で向かった。風月を殺る為に……。
End
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