卒業-7
「今日は…ぐずっ…お礼が言いたかったんだ…うっ…私、応援同好会作ったけど…ぐずっ…一年間ずっと一人ぼっちで…寂しかった…あの時誰も入らなかったら…辞めようと思った…でも…ぼーやが入ってくれて…うっ…毎日楽しかったんだ!」
「凛先輩…」
凛先輩のクールな姿も今日だけは抑えられなかったんだな。
俺は凛先輩の前にしゃがみこんで、頭を撫でる。
今まで凛先輩に頭を撫でられることはあっても、撫でたことはなかった。
とてもドキドキする。いつしか胸の高鳴りはすっかり元通りだ。
でもそれは、また違った別の高鳴り。
「私も…ひぐっ…ぼーやと離れたくないんだ…」
先輩はそう小さく呟いて、僕の胸に顔を寄せた。
腕は僕の背中に回されている。
「…凛先輩」
僕も凛先輩を抱きしめる。
凛先輩が泣き止むまで、こうしていよう。