第一章-6
後始末を終え、部屋に戻ると結衣はすでにいなくなっていた。
しばらくベッドの上でぼーっとしていると、遠慮がちにドアをノックする音がして
「……翔太、…ご飯食べよう」
と結衣の声がした。
「…うん、すぐ行く」
翔太は素直に返事をしてすぐベッドから降り台所に向かった。
台所に行くと結衣が冷めてしまった食事を温め直していた。
結衣は翔太の顔をチラッと見るとすぐに目を逸らし
「…ちょっと待ってて、すぐ出来るから」
と頬を赤くしながら言った。
翔太はそんな結衣を見て、自分も恥ずかしくなり
「…うっ、うん」
と結衣から目を逸らしてしまった。
しばらくお互い一言も喋らずに、気まずい雰囲気の中、向かい合って食事を続けた。
しかし食べ終わった瞬間
「お姉ちゃん、…さっきは気持ち良かった?」
突然の翔太の問いに結衣は慌ててしまい
「……な、な、何言ってるの、しっ、知らない…、翔太のエッチ」
そう言って自分の部屋に走り去ってしまった。
「もう、翔太ったら、……でも、あんな気持ちになったの…初めて」
部屋に戻りベッドに潜り込んで、結衣はさっきの事を思い出した。
そして無意識のうちに指で割れ目を触り、指先に少し力を入れると
「ああっ……」
さっきと同じく、まるで下半身に電気が流れたような感覚に、思わず声をあげてしまった。
「何これ…気持ちいい…」
結衣は翔太に聞こえないように枕に顔を埋め、うつ伏せになり夢中で指を動かし続けた。
「…んっ、あっ、あんっ、あんっ…」
何度も繰り返し刺激し続けると、やがて大きな快感が結衣を襲い目の前が真っ白になり、結衣は生まれ初めての絶頂に達してしまった。
しばらくベッドの上で放心状態のまま息を整えていると
「ただいま」
玄関のドアが開き父親の声がした。
結衣は慌ててベッドから起き部屋から出ると
「お帰りなさい、今ご飯温めるから……」
と父親の食事の用意をした。
そして食器を洗いながら結衣は
(あっ、いけない、忘れてた)
洗濯するのをすっかり忘れているのに気付き、急いで洗濯をした。
父親と翔太が風呂に入り終わり、結衣は洗濯物を乾燥機に入れ、風呂に入りながら
(……翔太、また私の匂い嗅ぎたいって言ってくるかも…そうしたら私…)
そう考えると、結衣の下半身にキュンとした感覚が蘇ってきた。
そして
(…やだっ、私ったら…)
無意識のうちに翔太にされている事を考えている自分に気付き、顔を真っ赤にして頭をブンブンと振った。