イジメテアゲル!-32
「今の多香子、クラウチングスタートみたいだな……」
「な、バカいわないでよ! 怒るよ!」
若干英助の方が足が長く、多香子は爪先を伸ばすことでようやく彼の足の甲に届く。
力なく足の甲をなでるつま先は踏みつけているというより甘えてじゃれ付いているようにも見える。
「スタートの仕方教えてよ」
無言の多香子を促そうと、彼女の手足が床につく高さまで降ろして腰を退く。
「しょうがないな、特別だよ……」
デコボコした膣襞を雁首で掻くと、彼女も羞恥心が飽和したらしく、おかしな要求に応じる。
「いい、しっかり見ててよ……、まず肩幅くらいに手をついて……」
しゃがむ彼女を追って英助も腰を降ろす。
「ん……と、利き足を前に出してぇ……。後ろの足は爪先で地面をける……のぉ」
繋がったままの模範演技は快楽を伴うらしく、説明の口調が甘く激しい。
「よーいで下半身を上げて……んぅ……」
お尻を突き上げるとぬぷぷと音を立てて陰茎を飲み込む。
「あはぁ……ね、分かった?」
「ゴメン、気持ち良すぎて全然わかんない」
「んもう、グズなんだから……、いい、もう一度するからね……しっかり覚えるまで何度でも復習するからね」
再びしゃがみこみ、両手を肩幅に着く。しかし、英助はそれに倣わず、ヌルリと男根が抜ける。
「あぁん、抜いちゃダメ……」
「教えてくれるんじゃないの? それともエッチしたいの?」
「両方……じゃだめ?」
すっかり恥じらいを捨てた多香子は乗り気になり、後ろ手で陰唇を開く。
「欲張りだな……多香子は……」
「だって、どっちも気持ちいいんだもん……しょうがないよ」
挿入時の亀頭を包む快感は何度味わってもなれる気配が無い。お互いの粘膜が愛液に塗れ、ピチャピチャと触れ合う度に背筋に電気が走る。
「いい、イクよ……位置について……よーい……」
きゅっと突き上げられたお尻が快楽を押し付けてくる。
「どん!」
多香子の合図に英助は乱暴に腰を前後させ始める。
腰がぶつかる度にスパンパンと激しい音を立てる。
「やん、だめぇ……そんなにされちゃ、あたし、イッチャウ……」
腰に当てられた手にしがみ付き、髪を振り乱して喘ぐ多香子。膣の締め付けが強くなり、抉る雁首の手ごたえが大きくなる。
「あ、あぁ……、ん、はぅあ……、も、や、だめ、あたし……」
脚線美と機能美をかね揃える両足がガクガクと震え始める。快感に蝕まれ立っているのも辛くなったらしく、膝を折り始める。英助はそれに追いすがり、勢いを緩めない。
「多香子、俺も、イク、イクよ……」
「ん、んくぅ……だめぇ、あたしの方が……先にゴールしちゃいそ……や、あ、きちゃう……あ、ふあぁぁぁん!」
多香子が叫ぶと同時に膣内部が激しくうねり、精を搾り取ろうと収縮を繰り返す。
英助の背筋を寒気と電気が走り、やがて快楽に変わる。視界が真っ暗になり、全身が思い出したかのように熱を持つ。
いつの間にか止めていた息を思い切り吐くと、尿道を精が勢いよく走る。
「や、でてるぅ……英助の熱いよ……や、すごぉい……」
膣内を焦がす精に多香子は舌を突き出し犬のようにはっはっと短い呼吸を繰り返す。
英助は今度こそ唇を奪おうとマットに沈む彼女に負ぶさり、口を近づける。
「んふふ……だめぇ……でも、よくしてくれたから……ご褒美……ちゅっ……」
彼女は英助の前髪を掻き、そのオデコにキスをする。
「なんだよ……ケチ……」
「だってぇ……美奈の前でキスまでしたら可哀想じゃない?」
額に嫌な汗が滑る。
初めての性交の興奮がみるみるうちに冷め、初夏の熱気すら忘れてしまう。