僕らの日々は。 〜とある家庭の夕食事情〜-3
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またまた同刻、篠宮家。
「一葉、陸斗ー。晩御飯何がいい?」
母親がリビングでテレビを見ていた二人へと声をかけた。
「え?そうねぇ、寒いから鍋か何かにしない?」
「えー、ハンバーグ食いたいよハンバーグ」
「ふむ、どうしようかしらね……」
と、その時。
ソファで寝転がっていた父親が体を起こした。
「ならば二人の間をとって煮込みハンバーグというのは……」
「あなたには聞いてないでしょ。それじゃ……」
ぴしゃりと遮られ、三人がわいわい話をする中でぽつんと佇む一葉父。
「……あぁ、いつから俺の一家の長としての威厳は地に落ちてしまったんだ……」
そうつぶやいて過去を思い返し、
「…………………」
思い返し、
「……わりと最初からか」
またゴロンとソファに横になった。
『とある家庭の夕食事情』 完