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『愛を映す、君を愛す』
【学園物 官能小説】

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『愛を写す、君を愛すF』-3

「あっ!そうだね。制服でいいかな?」
「ま。軽いテストシューティングだからいいと思うけど。」
僕はそういって部屋の隅にあるカメラ機材のセッティングをし始めた。
「で?写真撮られたことはあるの?」
「な・・・・・・ない・・・デス。」
「あ、そ。ま、俺も人物撮影はほぼ初めてに近いからおあいこだな。」
そんな話をしているうちに簡単なスタジオセットができたので
山本ユリカをイスに座らせ、写真を撮り始める。
「話しながらでいいから。リラックスして。」
僕はファインダーを覗く。

カシャ。

シャッターを切って、僕は愕然とした。
現像をしなければ、山本ユリカがどういう顔をしているかわからないが、即座にダメだと感じた。
それでも、もう何回かシャッターを切る。

カシャ。
カシャ。


カシャ・・・


「ゴメン。今日はムリ。」
僕は写真を撮ることをやめた。
コレ以上撮っても全然ダメだと確信したからだ。
「・・・え?」
「だから今日は終わり。」
僕の苛立ちは止まらない。
これ以上、山本ユリカと一緒にいると八つ当たりしてしまいそうだ。
「帰ってくれる?」
「・・・え・・・と、わかっ・・・た・・・」
山本ユリカはシュンとしたが、僕は見なかったことにした。
今は自分の苛立ちをどうにかすることが優先だ。

「・・・じゃあな。」
玄関で、僕は山本ユリカの鞄を渡す。
「あ、ありがと。」
山本ユリカはシュンとしたままである。
「また連絡する。」
僕がそういってドアを閉めようとすると、
山本ユリカが咄嗟に「わ、私何か悪いことした?」と
不安そうな声で聞いてきた。
僕はこの一言で箍(たが)が外れ、思わず自分の気持ちを山本ユリカにぶつけてしまった。

「関谷アキトとなんて付き合ってんなよ。」

僕の気持ちは僕自身もよくわからない。


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