投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

秘密〜出会い〜
【その他 恋愛小説】

秘密〜出会い〜の最初へ 秘密〜出会い〜 33 秘密〜出会い〜 35 秘密〜出会い〜の最後へ

秘密〜終わり〜-1

「ごめんなさい!!」

「いいよ。気にするなって」

陸先輩と二人きりでケーキを食べたことを、私は篤也に謝った。
篤也は笑って許してくれた。
でも、その笑顔が少し寂しそうに見える…

「しっかし、マイペースな人だな、その先輩」
篤也はベッドに寄りかかりながら食後のコーヒーを飲んだ。

「ホント、ごめん…」
私は小さくなって、両手にコーヒーの入ったカップを持ち、軽くため息をついた。


私たちは篤也のバイトが終わった後、篤也の家に行き、夕御飯を食べた。

篤也の家はお父さんがいない。
篤也が小さい時に離婚したらしい。
それで、お母さんが夜の仕事をして、篤也とお兄さんの二人を育てているんだって。
お兄さんは今県外の大学に通ってて、お母さんは夜いないから、たまにこうして篤也の家でご飯を食べたりするの。
ちなみに今日のメニューは炒飯。
篤也が作る炒飯はおいしいんだ!

それで、ご飯を食べながら今日のことを話して、今に至るってわけ。

篤也がカップをテーブルに置いて、私の方に顔を向け、目を閉じた。

私もカップをテーブルに置いた。

こうやって篤也がキスをねだるのは、寂しい時や不安な時。
私は心が痛んだ。

(篤也、不安にさせてごめんね)

私はそっと触れるキスをした。

篤也はまだ目を開けない。

私はもう一度キスをした。
さっきより長いキスを。

すると、篤也が私を抱きしめた。
そして、深く熱いキスを…

こうなると篤也は止まらない。
私は篤也に身を委ねた。

恋愛経験の少ない私たちは、こういう時、こういう方法でしか、お互いの気持ちを確認しあう術を持っていなかった―─



陸先輩から、相変わらず電話がきた。
でもあれ以来、どこかに呼び出されたりすることはなかった。

そして季節は替わり、暖かい風が吹きはじめていた。

「みー先輩、ありがとうございました!!」

「かんぱ〜い!」

3月下旬のある日、我が写真部の部長、みー先輩のお疲れさま会を、学校近くの居酒屋で開いた。


秘密〜出会い〜の最初へ 秘密〜出会い〜 33 秘密〜出会い〜 35 秘密〜出会い〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前