秘密〜終わり〜-4
えみと駅に着き、切符を買おうとした時
「…あれ?…あれ!?」
「どうしたの、なっちゃん?」
「…ケータイがない…」
「え゛!?鳴らそうか?」
「お願い…」
「…呼び出ししてるけど…」
「だめ、ない…お店ではあったから、お店に置いてきたか、途中で落としちゃったか…」
私が考えていると
「一緒に探そう?
二人で探した方がはやく見つかるよ!」
「ありがとう」
私はえみの笑顔に癒され、優しさに甘えた。
「ないねぇ…」
今来た道を戻り、お店に向かいながら探すが見つからない。
「困ったなぁ…」
「あっ、なっちゃんあれ…」
えみが突然示したその指先には、公園の中にいる、ある人の後ろ姿があった。
(みー先輩?
何でこんなトコに?
まぁ先輩と帰ったはずじゃ…)
公園は、高さ1m程のフェンスで囲まれている。
みー先輩は、ベンチに座っていた。
私はえみと顔を見合わせ、近付いた。
すると
「先輩なら、もっと他にいいヤツがいますよ」
みー先輩じゃない、男性の声がした。
(陸先輩!?)
みー先輩が座っているベンチの左側には、大きな木が立っている。
その木が死角になって、陸先輩が見えなかったみたい。
私たちは思わず木の陰に隠れるように、しゃがみ込んだ。
こうしていると、二人の姿は見えない。
「例えば、まぁとか?」
みー先輩のからかうような声が聞こえた。
「アイツは、ずっと先輩だけを見てました」
「知ってる。さっき告られたし」
(え!?)
私たちは顔を見合わせた。
「ホントは今日、陸に駅まで送って欲しかったんだ。
それで、告るつもりだった。
でも、まぁってミョーにカンが鋭いトコあるじゃない?
それで、まぁに私の計画見抜かれたみたいで、私が陸に告る前に自分がってコトで、ムリヤリ私を送る役買って出たみたい。
バカだよねぇ。
私がフラレるのわかってるクセに。
どうせだったら、フラレてキズついてるトコに告った方が、成功する確率高いのにね」
あははっと、みー先輩の笑い声がした。