青山恵理・修学旅行の夜-20
「ふーん。いいんじゃね?……ダブルデートってのも刺激的で……」
渋川くんは妖しげな笑いを浮かべながら、これみよがしにポケットからリップクリームを取り出して指先で弄り始めた。
その光景を見るだけで、ついさっきまでの卑猥な出来事を思い出して、子宮がきゅんと疼く。
「青山――それならいい?」
櫻木くんと渋川くんが妖しい目つきで私を見ている。
どうしよう……。
どうするの……?
この二人と一緒に行ったら、ミカに隠れてまた今日みたいにすごくエッチなことをされちゃうかもしれない……。
ううん……ひょっとしたらそれ以上のことも……。
頭の中に、あの雑誌のグラビアのように、裸にされて二人に身体中をまさぐられている自分の姿が浮かんでくる。
その途端、ありえないくらいの愛液がまた新たに溢れてくるのがわかった。
「大丈夫!私がついて行ってあげるから、ね?」
相変わらずのミカの上から目線のコメント。
―――何よ。
私が今あんたの彼氏に何されてたか……知らないくせに。
私の中でカチリとスイッチが入ったような音がした。
すごく怖いけれど、一瞬垣間見てしまった世界の、その先が気になっている自分がいる。
「櫻木くん―――」
私は真っ直ぐに櫻木くんを見つめながら、小さな声で答えた。
「………いいよ。行こう……みんなで」
視界の端で、渋川くんが満足気に笑うのが見えた。
END