青山恵理・修学旅行の夜-14
……もう……ダメ……!
覚悟してギュッと目をつむるのと同時に、渋川くんの手がスッと身体から離れた。
私が焦っているのをわかっていて、わざとからかってるのがわかる。
一体どういうつもり……?
とりあえずはバレずに済んだことをホッとしたのも束の間、今度は、櫻木くんが戸惑ったような表情で問い掛けてきた。
「……ジブンデ…ヌイダノ……?」
その口の動きでハッと我にかえる。
―――そ…そうだった。
渋川くんの存在に気付かれてないということは、このジャージと下着を下ろしたのは私自身だと思われても仕方がないのだ。
これじゃ……すごくエッチな子だって思われちゃう……。
すぐに否定したいけれど、否定したところでどう説明すればいいのかわからない。
返答に困ってまごまごしているうちに、櫻木くんはその沈黙を肯定と勘違いしてしまったらしい。
突然何かをふっ切ったような荒々しい指使いで、濡れた割れ目の中に指を滑りこませてきた。
あっ……っ……。
想像以上に乱暴なその蠢きに、声が漏れそうになる。
櫻木くんて、こんな人だったの……?
渋川くんにさんざん弄りまわされてとろとろにとろけてしまったその部分を、今度は櫻木くんの指が掻き回す。
「……あっ……ん……ふうっ……」
もう嬉しいのか嫌なのか自分でもわからなくなっていた。
まるでエッチな私におしおきするようなSっ気たっぷりの指使いに、こらえきれず漏れてしまう吐息をどうすることも出来ない。
私の好きな櫻木くんは、こんなことをする人じゃない―――。
そう思う一方で、ずっと憧れ続けた人に攻め抜かれることに歪んだ喜びを感じている自分もいる。