暗闇-1
私は父親をしらない。
物心ついたときには母と2人暮らしだった。
小学校3年の時、母が結婚した。
お父さんができた。
お父さんの方にも子供がいて、お母さんとお父さんと兄と私という家族構成になった。
お父さんは優しく、実の娘同然に可愛がってくれた。
3歳上の兄は部屋に籠もりきりで食事の時にしか会うことがない。
お母さんは心配していたが、強くは言えない。
特に反対をしたわけではないが、実はこの結婚に不満を持っていたのかもしれないと考えたからだ。
お父さんはそういう年頃なんだから、気にすることはないよ。なんて、母に言っていた。
小学校6年の時、お母さんはガンに罹ってしまった。
進行が早く、私が中学に上がるのを待たずして、死んだ。
私は、一人になってしまった気がした。
こんなに優しいお父さんがいるのに。
お父さんはそれからもずっと私に愛情を注いでくれた。
私がこの家で居心地の悪い想いをしないように。
とても有難く、嬉しかった。
お母さんが死んでから1年。バタバタし通しだった家はようやく落ち着いてきた。
そのように思えた。
夜。
私は物音で目が覚めた。
暗闇に確かに気配がする。
「…だれ?」
「……」
答えない。
私の腕は縛られていた。
「いやだっ!はずしてっ!はずしてよ!」
目が慣れてくるに従いソレが誰か分かった。
兄だった。
「お兄ちゃん!なんで、こんなことするのよっ!」
兄は黙って、縛られた腕を引き上げベットに縛りつけ固定した。
叫んでもお父さんはこない。
今日は出張で家には私と兄しかいない。
「放してっ。」
兄は机の上のスタンドのスイッチを入れてこちらに振り向く。
「琴音とヤッてみたいからさ。今日はオヤジもいないしな。叫びたければ思う存分に叫んでいいぜ」
いつも黙り込んで陰気くさい兄とは全く違っていた。
机の前に立つ兄は逆光になって表情がハッキリ見えない。
「これでお前のイヤラしい身体がよく見えそうだ」
机から離れ近づいてくる。私は逃げられなかった。動けない。
兄は私の腹に跨って座り、パジャマのボタンを外した。
「いやっ!やめてよっ!」
露わになった胸を冷たい手が掴む。
「この胸が、誘ったんだ。だから、お前が悪いんだ。」
中学に入ってから、だんだん大きくなって、今はCカップある。
寄せて放す。ぷるん、と震える乳房を今度は握り込む。頂きが親指と人差し指の間からぷっくりとせり上がる。