ENDS-3
「どーも」
「初めまして〜」
「え、君、タマオ?」
「プッ。またあんた間違えられてる」
「違います!真央です、マ・オ!でもタマって呼んでくださぁい」
「了解でーす、タマくん」
おや。何だか良い雰囲気じゃないですか?
「うーん、92点」
朝希が何か呟きました。
「え?」
よく聞き取れず聞き返すと、朝希は焦ったように手をぶんぶんと横に振りました。
「ぇあ、あ、何でも無い、何でも…!あのさ、姫代!私たち有介さんのこともっと知りたいんだけど。ね、タマ」
「うん!早く仲良くなりたいしね〜」
おお!何と朝希たちの方から素晴らしい話題が!
「あ、そだね!じゃあ自己紹介してください、有介」
「はいはーい、オレそういうの得意ー!めっちゃ合コンみてぇー」
どうやら有介もノリノリみたいです。よし、この良い流れのまま少しずつ少しずつ…。
「はい、どーも!姫代と同棲している幽霊でーす!」
…っ!!!
い、いきなり核心部を…!
そこは少しずつ晒け出していく予定だったのに…。
私の心配は何だったんですかぁ…。
思った通り、二人は真顔で硬直しています。
しばし時が止まって、そして。
「は?何言ってんの」
「ぅうええええ〜っ!すぅっげぇぇぇぇー!!」
同時の反応は正反対のものでした。
「幽霊?何?職業役者?」
「ああああのね、本当はもう少しワンクッション」
「すっげ!本物初めて見たぁ!」
「あ、ありがとうございますー!信じてくれてっ」
「宗教?宗教なの?」
「全然違うの!宗教じゃな」
「握手!握手し…うおぉ!触れなーい!すげ〜!」
「でしょ!?壁とかするって出来ちゃうんです!」
「手品?マジシャンなの?」
「あ、いや、タネとか無くて…っ」
「うわぁぁぁ!今度は触れたっ…!」
「てか何。同棲?ヒモ?貢いでんの?」
「紐…って何の!?貢ぐって、え?」
どちらのテンションに合わせていいかわかりません。
私たちのやりとりを見て当の本人(いや、当の幽霊)は声を上げて笑っていました。