『私の咎』-16
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ! はっはっはっはっ!」
男は奈津美に覆いかぶさり、テンポよく呼吸をし、腰を波打たせていた。
「あん、ああぁん、だめぇ……あぁ、いぃ……違うの、でも……やぁ……くふぅん……くぅん……くぅ……あぅ! ひぃ……」
膣で感じる久しぶりの男。
酔っているにも関わらず、力強い堅さ。
隙間なく、それどころか自分の形を押し付けてくる傲慢さ。
熱く、収縮されるたびに息が詰まる快楽を押し付けてくる。
夫のものと比べると……、愛以外に足りないものがないのが見当たらない。
それが悔しくあり、……であった。
「やめ、やめてぇ……」
「そう? それじゃ止めちゃおうかな……」
博は意地悪く笑うと、肉棒を奥まで突き刺したまま、動きを止める。
「ひぃん……」
博自身が動かずとも、勃起したそれは彼の呼吸に合わせるように収縮を繰り返し、息を呑むたびに樹液を吐き出す。
「あ、あぁ……」
カウパー腺液にも精子は混ざっている。
今月の生理はいつだっただろうか?
頭の中のカレンダーを捲るも混乱のせいか思い出せない。
その動揺が身体を震わせ、彼のもので……、
「ふぅうん!」
「あれ? 自分から腰振るの?」
「そうじゃないの……そんなんじゃないのぉ……」
「ハー、ハー、」と短い息を繰り返すことでなんとか冷静さを保つものの、それは欲情しているようにしかみえない。
「奈津美さんは素直じゃないんですね。いいじゃないですか、ちょっとぐらいエッチしても」
「私は、ハー、ハー、夫がいるんです……、スゥー、ちょっとでも、だめ……です……」
「だんなさんだって風俗ぐらい行くでしょ。だから、奈津美さんもたまにはハメをはずすっていうか、ハメちゃってもいいと思いますよ?」
「夫は、そんなこと、ハー、しません……ハー」
「そう? まあいいや……、僕、どっちにしてももう我慢できませんし、中で出してもいいですよね?」
「だ、だめです! そんなこと!」
「いいじゃないですか、弟が出来るだけだし、なんなら帰ってからだんなさんとセックスすればいいですよ。そうすればわかんないし」
「いや、だめ、お願い、それだけはやめて……それいがいなら……なんでもします……」
「そう? じゃあさ、さっき僕は奈津美ママの白いの飲んであげたから、今度は奈津美ママに僕の白いの飲んでもらいたいな……」
「なっ……」
「いやならこのまま中出ししちゃう!」
おどけた風に言う博だが、その腰つきは乱暴で、突き上げられるたびに降りてきた子宮がずんずんとつかれる。
その結果は足が意思とは無関係に動き、彼の腰周りにしがみつくようになってしまう。
「お、おねがいぃん、やめ、やめてぇ……」
「奈津美ママも感じてるんだ……、いいじゃん、このまま僕と気持ちよくなろうよ……」
「いや、いや、いぃ……いぃ……、いく、いきそ……だ、だめなの……だめなの……」
奈津美の双眸からぽろぽろとこぼれるものを博の指が掬いあげ、ぺろりと舐める。