ピリオド 後編-7
「…ああ…和哉のも、こんなになってる」
冷たい指先が、オレのモノをしごき始めた。
「姉さん…やめて…」
「しよ…あの頃みたいに」
この先にある快感を待ち焦がれて痺れていく頭。その一方で、泥沼へ陥る恐怖が胸の中で蠢く。
オレは濡れた秘部をまさぐり、蜜壺と化した亜紀の花弁に指を入れた。
「…はぁ…あ…和哉ァ…」
口唇を求める亜紀。手足の冷たさと反するが如く、熱くたぎった膣内(なか)がオレの指を濡らす。
柔らかい指先から与えられる刺激に、自分のモノがこれ以上ないくらい興奮してるのが分かる。
――もう止まらない。
オレも亜紀の口唇を求めた。 互いの口腔で舌と唾液が、激しく絡む。
「亜紀…亜紀ィ…」
「…ん…はぁ、うん…」
トレーナーを脱がせ、ショーツを剥いだ。
風呂場で見た時と違う。それほど、亜紀の身体はオレを興奮させる。
「亜紀…」
「和哉…ちょうだい…」
亜紀は両ひざを立てて股を開く。オレは腿を抱え、身体を引き寄せた。
我慢ならないほど昂った自分のモノを、濡れた花弁に押しつける。このまま腰を前に進めれば亜紀の膣内だ。
――一気に挿入(いれ)たい…。
気持ちを必死に抑え、ゆっくりと腰を押しつける。花弁が拡がり、オレのモノを飲み込もうとする。もうすぐだ。
――あの頃に戻るんだ。
オレは亜紀の顔を見た。
わずかな明かりに浮かんだ、涙に濡れた瞳。
その瞬間、オレの昂りは一気に醒めた。
「…どうしたの?」
急な異変に気付き、亜紀は身を起こした。
「どうして、抱いてくれないの?」
「自暴自棄になって、どうしたんだよ?」
言葉に表情が硬くなる。
「…離婚でイヤな思いをしているのは分かるけど、自分自身を粗末に扱っちゃいけないよ」
オレは布団を出て寝間着を身に付けた。
あんな顔を見ちゃ、一緒に寝るなんて無理だ。
「じゃあオレ、むこうで寝るから…」
亜紀は何かを云いたそうに視線を向けていたが、あえて無視した。
寝室を出たオレは、リビングからキッチンへ向かい、棚に置いたウイスキーとグラスを取った。
――気持ちを鎮めるために。
ソファに腰掛け、テーブルにグラスを置いてウイスキーを注いだ。
先ほどまでの出来事を忘れるために、琥珀色の液体を一気に喉へと流し込む。
「ふうッ…」
ヒリヒリとした喉の感触。その後に腹の中が熱くなる。オレは構わず2杯目をグラスに注いだ。