『愛を写す、君を愛すD』-9
さすがに怒らせてしまったらしく
僕は少し悪いことをしたと思った。
でも
あの時はああいったほうがいいと思ったのも確かだ。
「今日はやめる?」
一応、山本ユリカの気持ちを優先することにした。
「・・・いい。
・・・大久保んちいく。」
低い声で山本ユリカは答える。
結構意志が強いらしい。
山本ユリカは足をとめて
くるりとこっちに振り返る。
「で?大久保んちはどこ?」
変なメイクが施されているのにも関わらず
ムッとした表情が可愛く見えた。
「ハイ。ご案内いたします。」
僕は再び山本ユリカの隣まで歩みを進める。
今度は一緒に歩き始める。
「これで密会じゃなくなっちゃったね。」
そして
僕は更に逆撫でするようなことを言ってしまった。