『愛を写す、君を愛すD』-7
「そもそも!
大久保があんなこと言うから
こんなことになったんじゃん!」
山本ユリカは先を歩きながら
僕に悪態をつく。
「あーーー・・・。ごめんごめん。」
「ごめんじゃない!
あーゆーのこま・・・」
る。という山本ユリカの言葉が
野次にさえぎられた。
「おいおい!!
もうケンカでもしてんのかぁwww」
「バカ!ケンカするほど仲がいいんだよ!w
どうせこの後タクミんちでヤるんだからさ!w」
山本ユリカはピタッと足を止めて
顔を下にむける。
それを見た
僕はベランダの野次馬たちに言い返す。
「うるせーよ!
お前らもさっさとカノジョでもつくれ!!ww」
その言葉に野次馬たちは肩をすくませる。
「ほら。
今はおとなしくしてたほうがいいんじゃない?
新学期には別れたって言えばいいし。」
僕は山本ユリカの隣までいって
手を握る。
山本ユリカの手は
夏だというのにひんやりしていた。