『愛を写す、君を愛すC』-5
山本ユリカは時々大胆なことを言う。
僕だって仮にもオスなのに
平気で家にいきたいと言う。
しかし、
山本ユリカは
そこまで考えずに発しているのだろう。
しかも
そこらの同級生が無理してつくる上目遣いを
無意識にしているのを見て
僕は可愛いと思ってしまった。
「・・・いいよ。」
声が上擦る。なんとかごまかす。
「じゃあ・・・、
放課後昇降口で待ち合わせしよう?」
「・・・うん。」
教室までがスグそこだった。
山本ユリカは僕から自然と離れ、
先に教室に入る。
無意識なんだろが
足取りが軽やかに見えた。