『愛を写す、君を愛すA』-4
思わず出てしまった言葉が
僕をこの上なく恥ずかしくさせた。
山本ユリカはというと
さっきまでの泣き顔は本当だったのかと思うくらい
笑みをうかべて僕を見ていた。
少々その笑みが腹立つが
さっきのこともあるからしょーがなく会話を続ける。
「雑誌の大久保タクミって?」
「俺。」
「やっぱり。」
「・・・誰にも言うなよ。」
「どうして?写真すごく上手なのに。」
「じゃぁ。
そーゆー山本さんはパリコレモデルになりたいって
誰かに言ったことあんの?」
「・・・・・・ない。」
「だろ。俺は人から邪魔されたくないわけ。
それに・・・。写真はまだまだだから。」