『愛を写す、君を愛すA』-3
僕は慌てた。
だけど、それ以上に山本ユリカの涙はすごくキレイに見えて
この瞬間カメラがないことに後悔した。
「・・・そんなに見ないで・・・。」
数秒見つめてしまっていたらしく、
山本ユリカは赤面していた。
「あぁ・・・ゴメ・・・・ン。」
「・・・・・・ぅぅん。
私のほうこそ・・・ゴメンナサイ・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・もう帰る。
今日話したことは忘れて。」
「・・・・・・。」
「・・・じゃぁ。」
「・・・俺の夢は写真家。」
山本ユリカが教室を出ようとした時
僕は思わず口をついていた。