想-white&black-K-6
「あんっ、ああっ、あ、も……、ダメ、イッちや……うっ」
これ以上耐えられず思わずそう口にすると、楓さんの唇が首筋にきつく吸い付いた。
「い……っ」
チリッと火傷をしたような痛みに目を開くと、顔を上げた楓さんと視線が絡まり合う。
「こんな痕くらいでお前を縛れるとは思っていない。だが消えたらまた何度でもつけてやる。花音、お前が俺のものだということを忘れないように。いいな」
綺麗な顔立ちにの中に見え隠れする切羽詰まった表情に心臓を掴まれたような感覚に陥った。
(楓さんも、感じてくれている……?)
否を許さない鋭い瞳に私は、限界の中でただがくがくと首を縦に振っていた。
それを見た楓さんは微かに唇の端を引き上げ、膝裏から抱えるようにして更に脚を広げさせ腰を打ち付ける。
「それでいい。もう二度と他の男に触れさせるなよ」
そう言って楓さんの動きが速まり、中で一際大きさが増すのを感じて彼の限界が近いことを知る。
「だ、だめっ。今日は、中は……っ」
屋敷を出て一週間の間、義務づけられるように服用していた避妊薬を飲んでいない。
だが楓さんは懇願する私を見て冷笑を浮かべるだけだった。
「いっそのこと、それもいいかもしれないな」
背筋が凍るような言葉に涙がはらはらと零れ落ちていく。
「いやっ、楓、さん……っ、あふ……っ、ああっ」
「ほら、さっきよりも中が締まってきた」
涙を舌で掬いながら低く囁いて笑い声を漏らす。
「ああ、だめぇ……っ、……っちゃう……っ」
「誰に抱かれてるのか、ちゃんとその眼に焼き付けながらイッてしまえ」
「ひっ、やああっ、あ、ああ……っ」
こんな状況を不本意だと思いながらも、彼に惹かれている。
妊娠への恐怖心の裏側で楓さんを私の中に強く刻んでほしいと思っている自分にぞっとした。
「お前など俺で汚れてしまえばいい」
その呟きは快楽に喘ぐ私の耳には届かなかった。
「くっ……ぅ」
「はあっ、あ……っ、ああぁっ」
短い呻きが聞こえた直後全身を貫くような閃光が走り、胸元にまで熱くドロリとした飛沫を浴びた。
だが絶頂を迎えたのにも関わらず、身体を蝕む疼きは止まなかった。
物足りなさと今まで知らなかった貪欲さに身体が震える。
こんなの自分じゃない。