想-white&black-K-13
「……それに、あいつとは離れたくても離れられないからな」
「え……?」
微かに呟いた声に聞き返したが、それ以上話す気はないと言うようにゆらりと整った顔が近付き唇を塞がれた。
「ん、ん……っ」
安定しない湯船の中でしっかりと抱きかかえられ、舌と舌を絡める音が室内に響き渡る。
深いキスで条件反射のように身体の熱が上昇し翻弄されそうになりながら、ぼんやりと楓さんの言葉の意味を考えていた。
麻斗さんが勝手にこの屋敷に出入りしているからそれなりに深い関係なのだと思う。
だがかと言って親友と呼べる雰囲気には見えない。
二人の関係を聞いてみたいと思ったが、私の口から麻斗さんの名前をだすのは躊躇われて結局本当のことは聞けずじまいだった。