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Dear
【家族 その他小説】

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Dear-1

出かける時は
行ってらっしゃいの
キスをして

帰ってきた時は
お帰りなさいの
キスをして


小さな私はいつも
大きなあなたの手に
ひかれてた

あなたの
大きな背中が好きで
いつも抱き着いてた

いつも横にいるのが
当たり前だった


あなたと
一緒のものが欲しくて
吸いはじめた

MILDSEVENのチャコール

今でも覚えてるよ

あなたの匂いを
思い出すから





眠ってると思った
綺麗な寝顔だと思った
嘘だと思った


いつまでも
あなたは
横にいるのものだと
思ってたから




何度呼びかけても

目がひらくことも

その声を聞くことも

手を握りかえすことも

最後までなかった



温かかった手が
冷たくなっていったから


幼過ぎた私には
なおらない病気なんて



分からなかった



あなたが
いなくなる日が
こんなにも早く
来るなんて


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