「prelude」-2
「紗羽っ!」
「?実由。」
「また西野とケンカ?ほんと仲いいよね。」
「はぁ?」
「てか、西野は絶対紗羽のこと好きだよ!」
「はぁ?なんでそうなるのよ。」
「どっからどう見てもそうじゃん!」
「わけわかんない!」
「紗羽は?西野のことどう思ってるの?」
「どうって、どうも思ってないよ。ただの腐れ縁だもん。」
「えぇ〜かわいそうだよぉ。」
「はいはい…あ、高槻迎えにきたよ。」
「え!うそ!!じゃ帰るねっ!バイバイ!」
「はいバイバ〜イ…ふぅ。」
藤原実由。中学入ってから友達になった子。
もう引退しちゃったけどテニス部で仲良くなった。
最近隣のクラスの高槻って初カレができて、秋も深まりつつあるっていうのに春
爛慢モード全開。
幸せなのはいーけど、あたしにまで押し付けないで、ってちょっと思う…
「さて、帰るかな…」
また一つ、溜め息をついて席を立つ…
「う〜寒い…」
コートを着るにはまだ少し早いけど、朝夕は結構冷える。
マフラーを鼻の下まで上げて歩き出す。