未少年 6-5
ガチャッ
「うぃっす」
「…鷹丸っ!どしたの急に?」
「あれから営業終わってソッコー帰ってさ、きょみょくん…花木潔人のこと調べてみたんだよ。そしたら色々出て来てさ。電話だと伝えずらいから直接来ちゃったんすよ」
「そんなわざわざ…あっ、とりあえず入って入って」
「うす。お邪魔しまーす」
「あー。あかまるー」
「きょみょくん、こんにちは」
「あかまるこんいちはー」
「ごめんきょみょ、今から私鷹丸とちょっと大事なお話しないといけないからさ、きょみょはあっちで絵を描いててもらえないかな…?」
「うん。いいよー」
「きょみょ、ありがとう」
………………
「…コーヒー、ブラックでいいんだよね?はい」
「おっ、あざーす」
「それで、何か分かった?」
「ネットがある世の中ってのは便利でさ、信憑性の程は別にしても色々出て来たよ。プリントアウトしたのもあるから……はい」
「ありがとう。えーっと……わっ、すごい…」
鷹丸がくれたコピー用紙にプリントされた写真には、沢山のグラフィティが写っている。
「…これって、きょみょ……花木潔人が…?」
「そう。ここの…これ。タグをよく見てみると“HANAKIYO”って描いてるじゃん?グラフィティの時の名義なんだよ。それにこっち…これ。本人が写ってるけどきょみょくんに間違いないよね」
「……ほんとだ…」
「まぁだからきょみょくんがこっち系の分野で活躍してた人だってのは間違いないよな。この花木潔人ときょみょくんがなかなか結び付かないけど…」
「……うん…」
「で、こっちが花木潔人がDJとしてリリースしてたMIX。トラックリスト見れば分かるけど、かなり変わってるっていうかさ、異種格闘技的なMIX具合で。ネタでオルタナとかグランジ使ってるんだよ。マッシュアップでさ。だからきょみょくんがSOUNDGARDENとかに反応してたってのも納得がいくかと」
「…うん…」