未少年 6-4
「…ねぇ、きょみょ」
「…なーに」
「昼間レストランで会った人…己華さんて誰?」
「…ぼくもよくわからない。だけどぼくはあのひとによくないおもいでがある。………とおもう」
「…良くない思い出?」
「…うん…」
「何か思い出せそう?」
「………うー……………」
「…分からないかな…?」
「……たぶん……ぼくはあのひとのせいでおもいでがなくなったの…」
「…己華さんのせいで……記憶が…?」
「……りゆうはわからないけど……おもいだせない……あながあいたみたいだ…」
「きょみょ…」
少しずつだけど、きょみょの繋がることが分かってきた。
己華さん。
グラフィティ。
DJ。
××病院。
携帯にあった女の子の写真。
……あ、そういえば女の子の写真はきょみょに聞いてなかった……。
「…ねぇ、きょみょ」
「なーに」
「前にきょみょの携帯見た時にね、女の子の…」
ピンポーン
「…あん、ぴんぽん」
「うん。誰だろ」
時間は既に夜の10時過ぎ。こんな時間に来客?