戦争と遊戯-1
『戦争と遊戯』
弾が襲い掛かる。弾に当たってしまうと、一巻の終わりなのだ。かすってもダメ。だから、近くにある物陰に身体を隠す。
「ちっ!」
舌打ちを幾度となく繰り返していた。相手は残り三人だが、こっちオレしか残っていない。みんなやられてしまったのだ。
相手のリーダーを務める男はこれが始まる前にこう言い放ったのだ。
『たかがゲームだろ? リラックスしていこうぜ!』
確かにあいつから見ればただのゲームだろう。だが、オレにとっては戦争なのだ。これであいつを倒せば、積年の恨み辛み全てをなくす事が出来るのだ。
未だ弾は止むことはない。しかし、隠れている物陰も無数の弾により壊れつつある。長くは保たない。隠れることの出来る場所はこれしかないのだ。神経を研ぎ澄ます。
弾はいくらでもある。一瞬の隙をつき、弾をあいつのチームに当てる。それしかない。
あいつのチームからの弾が止んだ。罠かもしれない。だが、それに賭ける!
物陰から飛び出し、腕、手首、指、全ての筋肉を使い、弾を放つ。うまい具合に二人に当たってくれた。だが、もう一人。あいつがいない。だから、長居は禁物だった。すぐに物陰に隠れようとした瞬間、あいつが現れた!
しかし、体勢は隠れようとしている。その一瞬の隙をつかれ……。
※※※
甲高いアナウンスの声が空に響いた。
『第○×回雪合戦大会、優勝チームはこちらのチームです! 大会委員長より優勝賞金百万円の贈呈です!』
End