SEXの条件・学級委員長 川崎静奈 最終話-6
「………やっ……やめてっ!」
ウエストを撫でる汗ばんだ生暖かい指の感触に、ぞわりと鳥肌が立つ。
嫌っ――気持ち悪いっ……
払いのけようともがいた両手を、今度は前から金髪男につかまれてしまった。
「おとなしくしろって……前は積極的だったじゃん」
「……違っ……」
この男に処女をあげた時―――私は確かに自分から男をホテルに誘った。
この男に興味があったわけでもないし、セックスに興味があったわけでもない。
あの時私は、ただひたすら「女」になることだけを切望していたのだ。
だけど―――私は間違っていた。
セックスとは、そんなことのために利用するものではなく――――好きな人と思いを確かめ合うためのものなのだ。
たった一度のセックスで、そのことを私に教えてくれたのは、ほかでもないヤマト自身だった。
だからもう二度と、好きな人以外とはセックスしない―――私はあの日、そう心に決めたのだ。
「こんな清純そうな顔して積極的なんてたまんねぇなぁ」
柄シャツ男は悪びれた様子もなく、当たり前のようにブラを外して、直接私の胸をまさぐり始めた。
「いやっ!いやぁあああっ!」
男の湿った指が乳房を這いまわる。
ヤマトに抱かれたたった一度の大切な思い出。
その記憶までが汚染されてしまうような気がして、私は絶叫した。