コンビニ草紙 第十三話-2
「…あなたには、関係ないでしょ。用事が済んだならさっさと帰りなさいよ。
仕事中でしょ。」
「なぁに焦ってんの?冗談だし。」
ヒロタカは透かした笑みを浮かべて私をじろっと見た。
「…………。」
「な、そんな怖い顔するなよ。ちょっと焼きもちだよ。」
焼きもち?
浮気男がよく言う。
2年前、この男は婚約中に私の友達と浮気をしたのだ。
今ではその友達とも疎遠状態だ。
それからというもの、恋を遠ざけるように仕事に打ち込んできた。
ヒロタカとは出来れば会いたくなかった。
あの時の事は、まだ思い出しても良い気分じゃない。
「…なぁリョウコ、お前昔より綺麗になったみたいだな。俺さ、今フリー…」
チリリンッ―。
ドアノブのベルが鳴り、ドアが勢いよく開いた。
そこには息の上がった彼が立っていた。