Rebellious-3
「遅いわねえ…」
壁の時計が午後7時を指している。すでに窓の外は真っ暗だ。
三田を保健室に寝かせてから1時間以上が過ぎていた。
一時は、気持ちを切り替えて仕事を終わらせようとした久美だが“云うは易し”の諺通り、中々、三田のことが頭から離れず仕事に手がつかない。
諦めた久美は、明日に延ばせるモノは手を付けずに必要な分だけ終わらせようとした。
そうして15分ほど経ったが、未だ三田は現れない。
「三田君…どうかしたのかしら?」
ようやく業務を終えた久美は、不安から職員室を出て再び保健室に向かった。
「あれっ?」
暗く長い廊下の一番奥、三田が寝ているはずの保健室は明かりが点いてなかった。
(変ね、黙って帰ったのかしら?)
久美の手が扉に掛かった。
「えっ?」
力を入れた右手が動いた。扉は閉じられていなかった。
(まさか…石渡先生、居なかったんじゃ?)
久美の予想通り、石渡は急用で放課後早くに学校を後にしていたのだが、手違いから彼女に連絡が届いていなかった。
室内に入ると、ベッドから荒い呼吸音が聞こえた。
すぐに久美は、三田の存在に気づいた。
「三田君ッ!大丈夫なのッ」
久美は一気にカーテンを引いた。ベッドには、身体をくの字に曲げて苦しむ三田の姿があった。
「ちょっとッ!三田君ッ!三田君ッ!」
「…あ、先生…」
声に反応して振り返る三田。その表情は、真っ暗な室内のため久美には分からない。
いや、今のシチュエーションでは誰もが取り乱すだろう。
「大丈夫なのッ!」
震える指先が三田の肩を掴むと、
「…鳩尾は治ったんですが…それから此処が痛みだして」
弱々しい声が久美に返ってくる。三田は下腹部を押さえていた。
「何処よ、ちょっと見せて」
「や、やめて…」
久美の手が下腹部に回ろうとした。が、三田はそれを拒もうとする。
中学生ともなれば性を意識する時期だ。いくらそんな素振りを隠そうとしても、隠しきれない。
久美に下腹部をまさぐられ、三田のモノは反応していた。