双子の姉妹。 3-1
「うっ…うぇ…」
全身の嫌悪感で目が覚めた。
枕元に置いてある目覚まし時計は、16時を表示している。
「やっちまった…」
大学は完全にアウト。
二日酔いとはいえ、よくこんな時間まで寝てたものだ。
アルコールの力ってすげえ。
起き上がるが、胃から込み上げてくるものを感じて再びその場に寝そべった。
頭もガンガンする。
俺はちょっと前に酒が飲める歳になったばかりだし、残念ながら普段一緒に飲む相手もいないのでかなり酒は弱い。
唯一、たまにおばさんに付き合わされることがあるが、話を聞きながら一本の缶ビールをちびちび飲むだけだ。
しかし昨夜はワインなんかに手を出したものだから、正直いろいろとまずい。
しかも、一杯や二杯ではなかったはず。
「……はぁ」
寝返りを打って、昨夜のことを思い出す。
香織と飯食いに行って…
ワイン飲んで…
香織に幻滅して…
帰りに麻琴に会って…
香織にキスされて…
麻琴に張り手もらって…
「…最悪だ」
忘れたい…いや、なかったことにしたい…
強制イベント多すぎだろ。
そりゃ…香織の唇は柔らかかったけど。
一瞬だけど吐息を感じたりして。
麻琴の張り手も痛かった。
「…あ」
今日の勉強、麻琴じゃん…