胎児の遺言-2
学校が終わると着飾って街に出る。
それが17才女子高生、私達の日常だった。
達というのは私ともう1人、みかちゃんのこと。
みかちゃんは私の地元の友達で、彼女とはまずまず付き合いが長い。
難しい話はあんまりしたことないけど、遊び仲間としては仲よくしてる。
私が周りから可愛い系と言われるのに対し、みかちゃんはきれい系と言われる女の子。
元々明るい髪とか褐色の肌が一見外国人に見えなくもない。
背は私と同じ162センチなのに、手足がスラッと驚くほど長い。
一方私の方は色白で、顔だけ少しふっくらしてる。
そしてみかちゃんと違って胸が大きい。
そんな私達が連れ立って街を歩くと、決まって男の子達が寄ってきては「遊びに行こうよ」と声を掛けてくる。
それはまるで、甘いケーキに群がる蟻ん子みたい、と思う。
中にはかっこいい子や面白い子、車を持ってるちょっと年上の人なんかもいて、そんな人達とは気が合えば一緒に遊ぶこともある。
みんな楽しくていい人ばかり、怖い目に遭ったことは1度もない。
お腹の子の父親、テルともそんな風にして出会った。
テルは年がハタチ、背が高くて細マッチョで、涼しげな目元が爽やかな男の子だった。
サーファーで、茶色の髪さらさらしてきれいで、女の子にもすごくもてそうで。
私はそんなテルに一目惚れし、その場で恋に落ちた。
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