お願い-1
「竜くん,あの映画すごく面白かったよ!誘ってくれてありがとうね」
にこっと可愛らしい笑顔を見せるのは,高校2年生の篠崎萌という美少女である
やや茶色がかった長い髪を2つに結んでいて,くりっとした瞳,桃色の小さい唇の顔で,ふんわりとした雰囲気を持っている
「そっか!篠崎が気に入ってくれてよかった!」
そんな彼女の横にいるのは萌の同級生でもあり,彼氏の横山竜である
今日のデートも終盤になり,いつもの通り萌は別れのあいさつをしようとすると,竜は顔を真っ赤にして話を切り出した
「あのさ・・篠崎・・今日はもう一つ行きたいところがあるだけど・・・いいかな・・・?」
萌は優しく笑って言う
「いいよ,どこに行くの?」
「や・・俺たち付き合って半年じゃん?・・・それで,篠崎が嫌じゃないんなら・・・」
必死に伝えようと努力するが,萌には竜が何を言いたいのかさっぱり分からない
「えっ?・・なんだか竜くん顔赤いよ?大丈夫?」
それどころか竜を心配そうに見つめ,その表情にますます竜の心臓がドキドキしてくる
「だからっ・・その・・一緒にホテルに行こっ」
「ホテル・・・?・・・っええ!?竜くん・・それってまさか・・・!」
ようやく意味が分かった萌が今度は顔を真っ赤にしてあたふたする
そして竜は真剣な眼差しで萌に言う
「うん・・・篠崎が思ってる通りだよ・・でも俺,篠崎の事が本当に好きだから・・・そうしたい・・・分かってくれるか??」
竜のその気持ちに嘘はない
純粋で優しくて可愛いこの少女に惚れているのだ 「うん・・・竜くんがそう言ってくれるなら・・・嫌じゃないよ・・私も竜くんが好きだから・・」
萌は頬をほんのり赤く染めてほほえむ
それにつられて竜も暖かい気持ちになり,ぎゅっと彼女の手を握り締める
しばらく見つめ合った後,二人は目的の場所へと歩き始めた
5分ほど歩いたところでラブホテルに到着した
部屋に移動する間も緊張のためか,萌は一言も喋らず下を向いたままだった
カチャッと部屋へのドアを開けると,いきなり大きなベッドが現れた