お願い-2
「竜くん・・私・・」
竜は,戸惑っている萌を後ろからぎゅっと抱き締めてやる
「篠崎・・大丈夫だ・・何にも心配すること無いから・・安心して・・」
「うん・・・分かった・・・でもね,一つだけお願いがあるの・・・」
後ろに振り返ってじっと見つめてくる萌に竜は何?と優しく問いかける
「あのね・・・私なりに覚悟を決めたはずなんだけど・・・やっぱりまだ少しだけ怖いの・・初めて・・だから・・」
「う・・うん・・」
「だからね・・・・・・私に触れないでほしいの」
「うん・・・って・・え!?」
「つまり・・・竜くんから・・するのは何だか怖いから,全部私からしたいの・・・・!!」
「???????」
竜は理解できずにいた
つまり萌は竜にされたくない,という事なのか
「篠崎・・お前本当に知ってるのか??俺達がしようとしてる事はなあ,お互いが裸になって密着しなきゃ出来ない事なんだぞ??」
一瞬ムッとし,ほっぺを膨らませて反論する
「私だって分かってるよそんぐらい・・最近色々勉強したんだから・・・」
「勉強って・・・」
「優奈ちゃんが恋人同士にになったらこういう事するんだよって・・・」
優奈とは萌,竜と同じクラスであり,美人でもの凄くモテるがお節介焼きな女の子だ
優奈のやつ・・かなりの数の男と経験してるからな・・萌に変なこと教えてそうだな・・
心配する竜に気付かずに,萌はほらメモしてきたと,ポケットから紙切れを取りだして読み始めた
「1 裸になる,か・・」
「なにそれ・・やることリスト??」
「わっ!びっくりした・・そうだけど・・お願いだから私の言う通りにしてね」
そうじゃなきゃ出来ないから,と言われてはしょうがないので竜は萌に渋々従う
「じゃあ竜くん・・その・・・服脱いで」
「ハイハイ・・俺が裸になったら篠崎も服脱ぐんだよな,勿論」
「そっ・・そうだよ・・だから早く」
竜がTシャツを脱ぎ,カチャカチャとベルトを外している時も,萌は一切竜の方を見ようとはしなかった
ただ顔を真っ赤にし,背中を向けて手のひらをぎゅっと握り締め,竜の作業が終わるのを待っていたのであった