イケナイ関係!!-7
「気にするなよ。昔は一緒に入っとったろ?」
「だって、昔は子供だし」
「今も子供だろ。どうせ毛も生えてないのだろうし、ほら、隠してないでみせろよ」
「や、やめろよ」
タオルで胸を隠す由梨絵は自由な右手で翔太の股間の洗面器を奪おうとする。
翔太もされるがままとはいかず、なんとかやめさせようと左手でけん制する……が、
「あっ……」
か細い声。上ずった、高い声。
普段のアルトな旋律ではなく、耳に障る音域。
なのに、気をとられた。
なぜそんな声?
おそらくは左手が触れた柔らかい感触のせい。
中央がぷっくりとしており、温かさのあるふくらみ。
「ご……めん、なさい」
目を皿のようにして口をぱくぱくとさせる翔太は左手に伝わる女性の柔らかさに驚きながら、身体の一部で沸き起こるものを感じていた。
「隙あり」
そして奪われる洗面器。
その下では意思とは無関係に大きくなるものがある。
最近になってとにかく困る現象。特に女子と話したあとや夜眠る前、朝起きたときなどに多いこと。しばらくすれば収まるが、小便をするとき、ジャージを着ているときに恥ずかしくて困る。
「へー、なるほど……」
由梨絵はそれを見つめて頷くと、洗面器一杯にお湯を汲み、翔太に頭から掛ける。
「わ、熱いっつの」
「アホ、震えてるっての」
「そんなことより、由梨絵さん、出て行ってよ」
「お前なあ、ウチ裸じゃよ? それで出てけとか酷すぎるじゃろ」
「服着れば良いだろ。とにかく今は……」
「お、お、お? 大きくなってきてるな、うわ、ぴくんぴくんってなっとるぞ? お前のチンコ」
翔太の不満など聞く耳持たず、由梨絵はぴょこぴょこと動くそれに興味津々。
その先っぽにお湯とは別の液体が染み出したころ、とろりと糸をたらし始める。
「うわ、翔太のチンコ、我慢汁だしとる」
「え? 俺のが? 何か出してる?」
あまりの寒さと恐怖から漏らしたのかと思い、自分の大きくなったモノをしげしげと見つめる。
ぶよぶよとした皮。小便のときに邪魔になるのだが、たまに伸ばしていると赤いミミズのようなものが顔を出して気持ち悪い。
自分の身体は変なのかと不安になるも、両親には相談しづらい。友人にもそれを言えず、ただただ放置してきた。
が、夜寝るとき、うつぶせになって漫画を読んでいたときのことだ。
時計を見ようと這って動いたら、身体を妙な感覚が覆った。
ジンジンする。
おしっこをしたいような感覚。
そして、なぜか由梨絵を思い描いていた。
アラームをセットしたあと、由梨絵の名前を口にし、もう一度。
熱くなる気持ち。
もう一度、もう一度……、 高まる気持ちが、我慢できなくなったとき、全身が急に弛緩し、ぶわっと盛り上がるようなものが股間から生まれ、そして漏らした。
止めなければという気持ちがあるも、それはできず、ただ生まれ出るものに身を任せる。
抗うのも無意味と思った頃、もう一度由梨絵の名前を呼んだ。
それは、最近もたまにしてしまう、夜の一人遊び。