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逃げ出しタイッ!?
【レイプ 官能小説】

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逃げ出しタイッ!?-51

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 昇降口には誰も居ない。
 もう二時限目が始まっている時間であり、当然のこと。
 退学届けはすでに提出している。
 もう学校に籍はない。
 私物は全て生徒指導室にある。
 後藤には車で送ると言われたが、断った。

 顔色を覗かれながらなんてまっぴらだ。
 これ以上、人を腫れ物のように扱うな。

 私は、もういいんだ!

 そんな空元気を振り回し、生徒指導室に向かった。

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 荷物など、どれもいらない。すくなくともこれからの生活には必要がない。
 制服も体操着も、ウインドブレーカーもいらない。
 ここから家のゴミ箱に移すだけのこと。
 それこそ、焼却炉に捨ててくれたほうがありがたい。
 未練もないものだからと、ビニールのゴミ袋にまとめて入れる。
 季節をひとつはやめたサンタクロースは相模原市の指定のゴミ袋を背負う。

「……ばっかみたい」

 来る必要も無かったと思いながらも、本当は、ひとつ期待するぐらい許されるべき、と打算のあってのこと。

 だからこそ、遠回りして昇降口に向かったわけだが……。

**

「待ちなさいよ」

 期待した声ではないが、知っている声。
 今はまだ授業中。
 なのに、どうしてその子は?

「どこに行く気?」
「どこって、帰るんだよ?」

 無表情で振り返る雅美にひるむ早苗だが、なぜか彼女は怒り心頭といった様子。
 彼女に嫌われることなどしていないはず。
 なのになぜだろう?
 友達の見送りにしては、悲しむそぶりも見えない。

「帰るって、学校は?」
「辞めたもん。通えるはずないじゃない」
「……」
「じゃね。ばいばい」

 できるだけ感情は押し殺し、それでも、もうこれで終わりなのだという意志をこめて。

「雅美、卑怯よ!」

 しかし、腕を掴む早苗はまったく予想できない言葉を投げてくる。

「なにが?」

 どこか呆けたように答えてしまうのは、早苗の怒り顔と、赤くなりかけた目を見たから。

「だって、なんでよ。アンタばっかり!」
「私ばっかり何?」
「あたしの隆一君! 返してよ!」
「返すもなにも、早苗のなの? ていうか、私のじゃないし」

 そう、これは現実。夢の中のことではないのだから。


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