逃げ出しタイッ!?-37
「あ、いや、やめ、あ、あああん……、すご、だめ、だめなのにぃ〜」
雅美はぬぷぷと身体を侵食していく感触に目を白黒させ、はっはっと短い息を繰り返し、手で口元を覆う。
「どうしたの雅美ちゃん? それじゃ苦しいでしょ?」
理由は言わずともわかる。
隣の部屋で勉強をしている妹を思い図ってのこと。
この部屋の異常事態を知られたくないからだと。
しかし、サディスティックな微笑みを浮かべた昇は彼女の手を無理やり引っ張り、指を絡ませていく。
「なあ、どうなの? 俺のちんぽ、いいの? どうなの?」
「いや、やん、あ、だめ、そんな、しないで、お願い! あ、声出ちゃうと困るの。
お願いします」
内側から沸き起こる快感を必至に捌く雅美だが、その量はとめどなく、目の前の男が果てるまで続く。
――なんで? 私、レイプされてるのに、どうして感じるのよ。嫌よ。そんな、私は淫乱じゃないもん!
いつになく身体が行為に対して正直な理由。
それを必至に探るも、慣れ以外に思いつかない。
それは即ち、淫らになったということ。
「お、お願い、せめて、声が出ないように、させ、あ、んぅ、いいぃ! や、きもち、イイ……」
「だめだね。雅美ちゃんが感じるところみたいし、いくって聞かせてよ」
「やぁ……、だ、めぇ。となりに……、妹、智美ぃ、いる、んだよ? これ知られたら、あっ、あっ、あっ! ……んぅ、や、だよ」
そして大きくため息を漏らす。
「いいじゃん、どうせ妹さんも淫乱なんだろ? 四人で楽しめばいいさ」
「だめ、ぜったい、だめなの、お願い、私はどうなってもいいから、だから、妹だけには、手を、あ、やだ、もう、だめ、いきそ、お願い、とめて、イキそうなの、降参します、気持ちいいです。だから、一度、後生です」
泣きそうになる彼女はこみ上げるものをぎりぎりで抑えているらしく、はぁはぁと短く連続で呼吸をしている。
「そうだなあ……、雅美ちゃんも素直になったみたいだし、俺も気持ちよくなったし……」
考えるふりをする昇の息も荒く、腰の前後運動もやや遅くなっている。
「先輩、お願いします」
「うぅ、やっぱ、無理、そんな顔、されたら、我慢できねー!」
殊勝な態度は返って昇の気分をそそったらしく、彼は一度引いた腰を一気に突き出し、雅美をベッドから追い出す勢いで突き上げ、そして……、
「あぁああああああっ、あぁぁぁぁ……いくぅううううっ!!」
「うぅううううぅん、やぁ、イクなんていや、いやぁああああ!!」
雅美は背中にシーツの摩擦を感じながらも、それ以上にこみ上げる強い快感に身もだえ、あの日と同じように男にしがみつく。
それは昇も同じらしく、射精が始まっても二人は抱き合い、しばらく動かなかった。