逃げ出しタイッ!?-35
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「へえ、ここが雅美ちゃんの部屋かぁ……、なんか良い臭いするわ。とてもザーメン好きな子の部屋とは思えないな」
プライベートで女の部屋に入ったことなど皆無であろう昇は、ここぞとばかりに鼻をひくひくさせている。
「あそこはザーメン臭いのにな」
いやらしく哂う悟は机の上をしげしげと見つめ、勝手に引き出しを開ける。
「ちょっと、やめなさいよ……」
最近の陵辱に慣らされ、抵抗する気持ちも薄くなっている雅美。もともと引き出しにはたいしたものなどないのだし……というように。
「なんだよ、つまんねーの。なんか日記でもあればよかったのな」
「あれか? セフレ日記とかさ」
「今日は先輩のちんぽをしゃぶって精子をごっくんしました。おいしかったですとかな」
勝手をまくし立てる二人はその後も部屋を物色していた。
――あーあ、もうどこにも逃げ場はないんだ。
部活をさぼろうと学校を仮病で休もうと、おそらくこの二人はやってくるだろう。
陵辱の様子を納めたムービー、画像ファイルがある限り、逃げたところで意味もない。しかも、この鬼畜たちは妹の智美にそれを見せようとする。
智美とはケンカもするけれど、根っこのあたりは仲のよい姉妹。
もしあの悲惨な現実が妹に知られたら?
彼女はとても優しい子。きっと自分のことのように泣き、悲嘆にくれるだろう。
それは避けたい。
智美は今受験の大事なとき。
だから、知られるわけにはいかない。
――大丈夫だよ。お姉ちゃん、我慢するから、だから、勉強がんばってね。
隣の部屋では流行の音楽が流れている。
智美は勉強をするとき、必ず何か音楽を聴き、定時になったらラジオを聴く癖がある。
だから、少しぐらいは平気。
どさっとベッドに仰向けになり、顔、目の辺りで腕を交差する。
「あれ? どうしたの雅美ちゃん」
「……ればいいでしょ……」
小声でつぶやく雅美。
「なに? きこえなーい」
「すればいいじゃない。それが目的なんでしょ?」
「へー、わかってるじゃん」
満足気に笑い声のあと、ジャージを脱ぐ音が二回聞こえた。
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Tシャツを脱がされ、ブラをずらされる。荒い鼻息を肌に吹きかけられながら、壁の傷を数える雅美。
「はぁ、はぁ、雅美ちゃんの肌きれい……」
舌で脇から胸元へと唾液の線を作る昇は、勃起した陰茎からだらだらとカウパー腺液をこぼしている。
「やべ、入れる前に出しそう」
赤黒い亀頭はたまに雅美の太ももにこすれ、柔らかな刺激にびくりとはねる。