逃げ出しタイッ!?-29
「ん、あぁ、うぅん! あんあん、やだぁ、キャプテンのがはいってくるぅ!」
甘い吐息、甘い呻き、甘い刺激。
それらが達郎の中にある欺瞞を加速させ、倫理を封じてしまう。
「雅美ちゃん、君は本当に淫乱なのかい? そうなんだ……ね!」
亀頭を包み込む柔らかで、でこぼことした膣。
最初は自分の垂れ流すモノで滑っていたと思っていた達郎だが、奥のほうを二、三度つつくとそれは徐々に緩やかになり、滑らかになっていく。
「う、雅美ちゃんの中、すごく、いい。なんか知らないけど、でも、すっごく、ぬるってしてて、俺の、うわ、きもちいい!」
達郎は昇を振り払い、雅美へとのめりこむ。悟はこれ以上支えても重いだけと雅美を達郎に預け、そのまま二人の交尾を観察しだす。
「いや、やめて、キャプテン、もう、ゆるして」
「だめだ! マネージャーは最近、仕事、いい加減だし! 俺のこと、バカにしやがって! だから! おしおき! してやるんだ!」
都合のよい言い訳を持ち出し、スクワットでもするかのように腰を突き立てる達郎。雅美もふりおとされまいと彼にしがみつくが、それが彼の気持ちを興奮させ、行為をよりエスカレートさせていく。
「はぁはぁ、雅美ちゃん、部室でセックスするなんて! なんて大胆なんだ! 君は、やっぱり、やりまんなんだね……、悪い子だ、スケベな子だ!」
「そんなこと、そんなことないもん! 私は、無理やり! あん、あんあんあん!! やぁ、くぅうう!」
ぎゅっと抱きつき、互いの頬をこすりあわせる。
「うぅ、くぅ! あ、いい、イク。うぁあ……」
「や、んぅ、んぁ、い、あ、あんあんあんあん! やぁ! だめ、いい、いいの」
耳元に吹きかけられる音は甲高くなり、課あだのおくから沸き起こる快感はもう自分をごまかせない。
せめて目を瞑っている間は誰のことを想像することもなく、快楽に身を任せたい。
雅美の意識は膣からくる電流にだけ向かっていた。
「はぁはぁ、雅美ちゃん、気持ちいい。気持ちいいよ。もう、俺、いく、いきそ、一緒にいこうよ。ね、な? いいだろ? なあってば!」
頼りなげな言葉とは裏腹に腰の前後運動に迷いはない。
「え? いや、それだけはやめて! 中になんか出されたら私!」
離れようとする上半身と、ふりおとされまいという下半身。達郎のお尻の辺りで両足が交差しているさまからは、行為の成就を望んでいるようにもみえる。
「おいおい雅美ちゃん、ここでやめたらキャプテンがかわいそうだろ? 最後まで中でいっしょでいろよ」
「いや、だって、私、あっ! ……今日、もしかしたら、危険日かもしれないんだから! あっ、あぁ、ああん!」
「ならさ、口でのんでやりなよ。雅美ちゃん、ザーメン飲むの好きだろ?」
「嫌よ。好きなわけないじゃない!」
「あぁ!? 好きなんだろ! 山形先輩のザーメンうまそうに飲んでたろ! のめよ!」
「ひぃっ……」
再び髪をつかまれ、よみがえる暴力の恐怖。半ば習性となりつつある脅迫と服従に、雅美はここでも固まってしまう。
「ほら、キャプテン、雅美ちゃんに飲ませてやれよ。ザーメンをさ」
悟は雅美を抱っこすると、そのまま達郎の前に跪かせ、ぬらぬらと光る肉棒を咥えるように後頭部を押す。