サンタクロース-7
しかし母は眉を寄せてこう言った。
「マイはずっと一人だったわよ?女の人が歩いていってマイが何か喋ってるのは分かったけど…。そしたら風が吹いてマイがこっちを見たの」
え…?
お母さんが嘘を吐いてるとは思えない。
お母さんには見えなかったの?
もしかして、あの女の人にも…?
「あは、あはは。あたしの勘違いみたい」
なにそれ。あたし、知らない内に…。
「どうしたの、マイ?帰ろ?」
「あ、うん。…あいつ」
「ん?」
「何でもない」
『信じてくれますか?』
どこかで、あのおっさんが不適に笑っている気がした。
はいはい、信じますよ、サンタさん。
心の中で呟く。
それとこの気持ち、ありがとね。
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