ピリオド 中編-8
「えッ!」
「和哉、背中流してあげよっか」
「ちょ、ちょっと姉さんッ!」
振り返ると、下着姿で亜紀が入って来た。
「あのさあ、いい加減にしてくれないか?」
「なんで?昔は一緒に入ったじゃない」
「そりゃ10年以上も前のことだろ」
「いいから、ほら」
亜紀はスポンジと石鹸を手に取り泡立てる。オレは仕方なくイスに腰掛けた。
「いつも、こんな時間までお仕事なの?」
スポンジが背中で滑らかに動いていく。
「ここのところはね。人員を減らされてさ。今まで以上に仕事をこなす必要があるんだ」
「じゃあ大変なんだ…」
「それでもマシさ。減らされた方じゃなかっただけ」
身体を洗ってもらうなんて、あの日以来だ。
心地よさに身を委ねていると、亜紀の声音が変わった。
「ところで和哉」
「ん〜っ?」
耳元に顔を寄せてくる気配に、オレの心臓が高鳴る。
「…ね、姉さん?」
「エッチなビデオは、もう少しうまく隠さないと見つかるわよ」
「なッ、ど、どこを片づけてんだよッ!」
オレの慌てぶりを見て、亜紀はケラケラと笑いだした。
耳が熱くなるのが分かる。
「テレビが埃被ってたから掃除したら、ラックの奥に無造作に置いてあるんだもん」
「だからって、プライバシーを侵害するなよッ」
「あらあ、弟がどんな好みなのか姉として知りたいじゃない」
亜紀の顔が再び近づいた。
「…姉と弟との近親相姦モノばかり…和哉は昔のままね」
身体中が熱くなる。触れてほしくない部分に辱しめを受けているのに、オレは亜紀の声に反応していた。
「あの日のこと憶えてる?お風呂場でアンタがしたこと…」
亜紀がオレの前に回った。
「な、なにが?」
首元から腕、胸へとスポンジを擦り付けながら、目はすでに硬くなっていたオレのモノを捉えてる。
「和哉はわたしの身体を舐め回したの…首筋から胸…そしてオ〇ンコも…全身を舐め回して、わたしをバックから犯したのよ」
スポンジの動きが止まった。泡で滑った手が、オレのモノを握った。
「姉さん…何を…?」
亜紀の手がシゴいてる。
「和哉…今でもわたしを好きなの?」
「な、なにを…」
「わたしを抱きたい思いをごまかす為に、ビデオでオナニーしてたの?」
拒否しなきゃならないのに、身体は快感を望んでいる。
「…こんなにして…アンタはね、何も変わってないの。姉に欲情する変態なのよ」
シゴく手が止んだ。
亜紀は薄く笑うと、オレの股間に頭をうずめた。