投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

二個目の苺〜アーモンドクッキー〜
【その他 官能小説】

二個目の苺〜アーモンドクッキー〜の最初へ 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜 26 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜 28 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜の最後へ

The last berry-愁--8

「あ、出来ました。」

泣いてしまった気恥ずかしさもあり、いそいそと片付ける私の手首を愁さんが引いた。

あっと思う間もなく、愁さんが私を抱きしめる。

「愁、さん…?」

「…ごめん、ちょっと…」

小さな声で、つぶやく。

少し震えながら、私を強く抱きしめた。

私は愁さんの肩にゆったりと頭をのせて、たくさんの願いを込めて彼を抱きしめた…。


---その後、愁さんは以前よりもずっと穏やかに笑うようになった。

その表情はなんだかとてもリラックスしていて、彼の傷が一つ癒えたことを物語っていた。


「…僕を人間だと、言っていたね。」

暖かい太陽の光が差し込む部屋で、愁さんは私に語り掛けた。

「はい、もちろんです。」

私は満面の笑みで答える。

「僕にも…愛はあるのかな。」

「そんなの、当たり前じゃないですか!」

私がつい大きな声で言うと、愁さんは笑った。

しかし、すぐにどこか緊張感漂う表情で下を向く。

「僕に、もしも僕の中に、愛が存在するとしたら、きっと…
…僕は君に、愛を持っているのだと思う。」

「…え?」

私は聞き違いかと思い、愁さんの方を向く。

「でも、自信がない。
君に思うのは、優しい感情だけじゃないんだ。
今までみたいに傷つけてしまいそうで…それに、いつか君がどこかへ行ってしまったら、僕は…。」

ぎこちなく言葉を選ぶ愁さんに胸が熱くなり、私は思わず彼に抱き着いた。

「私はどこにも行きません、どこにも行けません…。今までだって、全然傷つけられてなんか…!」

むしろ、私が愁さんを傷つけてしまうばかりだった…。

「奈々…。」

抱きついた私の手に指を絡め、愁さんは強く私を抱きしめた。

「ん…っ。」

軽く触れる唇。

でもそれは、とっても暖かくて、頬をくすぐる優しい指が嬉しい。

「んっ…あ、ふ…」

諭すように唇を開かされ、歯列をなぞられる。

激しいキスに、息も出来ない。


二個目の苺〜アーモンドクッキー〜の最初へ 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜 26 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜 28 二個目の苺〜アーモンドクッキー〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前