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二個目の苺〜アーモンドクッキー〜
【その他 官能小説】

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The last berry-愁--7

「…それで、あの人の気が済んで、もうここに来ないでくれるなら…。」

私も、愁さんを守ってあげたかったから。

また怒られるかな、と思って顔を上げると、愁さんは少し切なく笑って、私を見ていた。

「愁さ…あ、怪我っ。」

慌てて愁さんの腕を見ると、出血してはいるものの、怪我自体はさほどひどくないようだった。


…でも、きっと痛かっただろうな。
硬そうなもの、たくさん付いてたし。

私が余計なことしなければ…。

「これくらい、たいしたことないよ。
…この間から血を流してばかりだな。」

愁さんは自嘲的に笑う。

「ちょっと待って下さい、すぐ手当てしますね。」

私は愁さんの部屋に入ると、救急箱を借りてすぐに傷の手当てをした。

傷口が広いので一応包帯も、と思い、私はゆっくりと愁さんの腕に巻き付けていった。


早く治りますように。

愁さんの傷ついた心も、苦しみから解き放たれますように。


私は心の中でそう唱えながら、ゆっくり、ゆっくり包帯を巻いていった。


「---君に、怪我がなくて良かった。」


ふいにかけられた言葉に驚いて、顔を上げた。

こちらを見ていた愁さんと目が合う。


なんて、優しい目…。


愁さんはいつも無表情だけど、この瞳は愁さんの心を映してくれる。

私は、視界がぼやけていくのを感じた。

「愁さんは、人間です…。
こんなに…こんなに、優しいのに。」

私の目からは、いつの間にかぽろぽろと涙がこぼれ落ちていた。

「なぜ、泣くの。」

「ごめ…なさい、気にしないで、下さい。」

私はたどたどしく言葉を発しながら、鼻を啜る。

「変な奴だ…。」

愁さんは困ったように笑い、私の涙を長い指でそっと拭った。


---私が愁さんを受け入れて、守ってあげたいと思ったのに…。
…私の方が守られているみたいに安心する。

これが、愁さんなんだ…。


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