白銀のたまご〜パチプロチーコの生活5-4
[ なぁチーコ…
何かないかなぁ、戦国絵巻の攻略法になるヒント… ]
[ ブン殴られたい? ]
[ 勘弁してくれよ! ]
慌てて鼻を押さえる。
[ 私…テネシーに戻ろうかと思うのよ ]
[ テネシー?…そうか
でもさ…あそこもすぐに戦国ブームになるぜ ]
[ シンちゃんについてウチコの勉強したいのよ ]
[ どうかなぁ… ]
[ どうかなぁって、どういう意味よ? ]
[ えっ?どういう意味って… ]
[ シンちゃんにも言われたのよ
私にはまだ時期じゃないって…
何で私じゃできないと思うのよ? ]
[ そりゃぁ何ていうかな…
俺たち二人だけでやって来たじゃん
シンちゃんって、何ていうか…顔も広いし信用っつうか…
いい人だけど、裏切ったら怖い感じあるじゃん? ]
別にシゲルと二人でコンビを組んだ覚えはない。
でも、それは本当の事でシンちゃんと私ではこの世界で格が違うと思ったの。
[ もう…辞めたいのよ
こうして毎日勝負にこだわって…
私、ずっと同じ服着てるのよ
髪も伸びっ放しで… ]
私は崩れ落ちちゃった。
明日からの生活…
何年か先の自分の姿…
今まで頑なに築き上げた自分が脆く粉々になって崩れちゃったように思ったの。
今はただ、蓄積された何年分を意味もなく泣くしかなかったのよ。