白銀のたまご〜パチプロチーコの生活5-3
[ なぁチーコ…
お前なんで負けないんだよ? ]
はぁ?…
[ あんたにはさんざん教えたわよ
パチンコで負けない方法をね… ]
[ そうじゃなくてさ…
何か知ってんだろ? ]
[ 何をよ? ]
[ 攻略法だよ絶対勝てる方法…
でなきゃおかしいじゃん
いくらでも稼げるのにあっさり帰っちゃったりさ…
座った途端に爆連チャンしたりさぁ… ]
私は開いた口が塞がらない。
[ あんたやっぱりバカでしょ?
そんなものは全部ウソよ
仮にあったとしてよ…
保留3の変動と同時に電チューに2球入賞とか、デモ画面にしてから3秒後にどうのこうの…
できるわけないじゃないの、普通に考えて…ね
どうしても勝ちたいなら、ロムの慣性を知り尽くしていて、後はホール側の足を掬うしかないのよ ]
シゲルは何も言えなくなった。
私は腹立ち半分でシゲルに説教しながら自分に言い聞かせる。
またイチからやり直しよ。
[ 戦国絵巻の攻略法を見つけて売れば投資ゼロで稼ぎまくれると思ったんだよ… ]
シゲルはしおらしくうなだれた。
[ それで…どのくらい勝ったの? ]
[ いや…7万8千円負けた ]
[ はいっ?… ]
よくそんなお金を持ってたものだ。
またスッテンテンだな…こりゃ
でも、この余裕?
負けた時というのはわずかな残金にでも大きな希望を持てるものなのよ。
パチンコにはそんな魔力がある。
つまり、素っ裸にされてしまうわ。
私の懐を宛てにしてるのかしら?
いや…それにしては口の効き方が生意気ね。
って、事はまた姉様か母様に無心したな…
悔しいけど、私にはそんな金蔓はない。