未少年 4-1
きよみょが家に来て一週間が過ぎた。
全く…なんとも不思議な共同生活…。
家に帰ったらきよみょとのんびりお話したり、ご飯食べたり。
きよみょが絵を描いてるとこ眺めたり、でも絵を見せてもらおうとして断られたり。
寝るときは同じベッドだし…。
きよみょが「ひとりやだ。あんとねる」って言ったからなんだけど…。
別にやらしいことは一つもないし、ただ子供みたいに催促されて抱っこしてあげて寝るだけ。
まぁ暖かいから良いんだけど…。
ちなみに、私が仕事行ってる間はずっと絵を描いたり音楽聴いてぼーっとしたり、そんな感じらしい。
作り置きのお昼ご飯を食べる以外は定位置から殆ど動かないとか。
いかにもきよみょらしくてかわいらしい。
でも…あの写真のことはまだ聞けてないし、未だに病院のことをどうにも出来ていない自分がいる…。
幸いにも薬はバッグの中に沢山入ってたからまだ大丈夫だけど…。
きよみょのことはまだ分からないことの方が多いし…。
ただ、一度言ったことは大体一度で覚える。
その辺はやはり大人の脳みそなんだな。
ご飯の後に食器を洗ってくれたりするし(キッチン周りがびしょびしょになっちゃうけど…)、少しずつだけど手伝いもしてくれる。
仕事終わって帰ってから、ちょっと夜遅いし寒いけど散歩してみたりもするし。
その度に、きよみょは何かに反応を示す。
例えば“月”とか“川”とか“花”とか。
漠然としてるけど“好き”らしい。
花木潔人って、自然を愛でる人だったのかな…。
「あむー」
「ん?」
「今日はもう上がっていいよ。人も少ないし、それにここ最近遅かったからね」
「えっ、いいの?」
「うん」
「きよらー…感謝しますー」
「いえいえ。明日休みだよね?きよみょ君の事もあるけど、まぁゆっくりしてよ」
「うー…ありがとう…」