未少年 4-7
……………
程なくしてあいつは逃げ去るように出て行った。
去り際に“…お…お前マジで狂ってる…”だってー…。
もう何とでも言えや…お前よりかはマシじゃクソ野郎…。
あーしかし…頬痛い…まだ少し痺れる…。
「…あん」
「…んー?」
「…ほっぺただいじょうぶ?」
「…うん…」
そう言って、きよみょの手が優しく頬に触れた。
きよみょの優しさが伝わってくるようで…。
その瞬間…張り詰めてたものがプツッと切れて、一気に涙が…。
「…あん?どうしたの?」
「……う…ううん…なんでも…ない…けど…ちょっと…」
思わずきよみょに抱き着いてしまった…。
……何も言わず抱きしめ返してくれる…。
そういえばいつも抱っこしてあげて寝てるけど…逆にすっぽり包まれる方になってみると…きよみょの大きさを改めて感じる…。
「あん…またないてる」
「……ん…ぐすっ…」
「…こわかった…?」
「……うん……ちょっと…いや…かなりね……でも…きよみょが助けて…ぐすっ…くれたから…ありがとう…」
「…ぼくなにもしてない」
「…そ…んなこと…ない…。すごい……嬉しかった…」
「…あん、もうあぶないものもっちゃだめだよ」
「…うん…ごめんね…」
「ささったらいたいから。いたいのはいや」
「……うん…」
「…あんはぼくがまもるからね。もうこわくないよ」
「………きよみょ…うぅ…ありがとう………ありがとう…」
きよみょの腕に包まれて、暫く、優しさに泣いた。