未少年 4-3
「あん。あんなくとやだな」
「…うん。ごめん…大丈夫だから」
「だいじょうぶ?」
「うん。大丈夫だよ。ありがとう」
「うん」
「はぁー…なんか一気に気が抜けたし…ほっとしたよー…」
「あん」
「ん?」
「……おなかすいたよ」
「あっ…はははっ。そうだね。ちょっと待っててね」
きよみょがいてよかった…。
いなくなったと思ったけど…。
…私の方がきよみょに依存しちゃってる。
本当はここにいちゃいけないし…ちゃんと病院で診察とかカウンセリング受けないといけないんだけど…。
分かってる…分かってはいるつもりだけど…。
「あん」
「んー?どしたー?」
「あんのけいたいでんわ。ぶーって」
「携帯?あっ、鳴ってるって?ちょい待ちー……よいしょ。誰だー?」
あ…。
弘希…。
なんなの…?
弘希は、元カレ。
別れたのは一ヶ月くらい前か…。
付き合ってたのは半年も無いくらいだったんだけど…。
別れた理由はあいつの浮気。
私以外にも女がいて、問い詰めたら逆ギレされて、さよなら。
のくせにたまに“ヨリ戻したい”なんて電話してきやがる、ちゃらちゃらしたしょうもない男。
なんであんなやつ好きになったのか…自分でも謎だし…忘れられるなら忘れたいくらい。
電話すら嫌なのに…。
「…あん?」
「…きよみょ、ちょ…ちょっとごめんね……」